位階(Degree)

 

"ケルビムにはそれぞれ四つの顔があり、第一の顔はケルビムの顔、
第二の顔は人間の顔、第三の顔は獅子の顔、
そして第四の顔は鷲の顔であった"
(『エゼキエル書』第10章14節)

 

およそすべてに共通する基本がそうであるように、エイヴィヒカイトも経験を積むことでレベルアップ――つまり位階を上げることが可能である。
これは本来、既存のいかなる体系とも違っているが、
欧州人の割合が高い騎士団員の性質を考慮して、
西洋神秘思想の根幹をなすものが便宜上使われている。
すなわち、活動、形成、創造、流出からなる、
クリスチャン・カバラのセフィロト四層概念。
神の光――天地創造の御業とプロセス――を逆に辿ることで、
人は神的領域に到達できるという思想である。
実際、その概念の真偽は置くとしても、単に殺しの手段として見るなら
位階を上げることによるメリットは凄まじい。
それは聖遺物の形状や効果範囲の変化拡大、
爆発的な身体能力の向上や超感覚の獲得など、
目に見えて戦闘力を跳ね上がらせるものだからだ。
現実に、位階がひとつ違うだけで、強さの次元が桁違いになると言って構わない。
聖槍十三騎士団に身を置く者らは、
ほぼ全員が第三位階である創造にまで達している。

 

 
     
活動
(Assiah)
初期位階。契約している聖遺物の特性を、生身のまま限定的に使用可能。
つまり刀剣類の聖遺物なら、手を触れずに物を切り裂けるという類。
常人を殺傷するには便利だが、所詮はそれ止まりであり戦闘には使えない。
また、この位階は聖遺物に振り回されているとも言えるので、暴走・自滅の危険が高い。
形成
(Yetzirah)
契約している聖遺物を、形あるものとして具現化可能。
五感、霊感が超人化し、高度な破壊と戦闘行為が可能になるのはこの位階から。
また、取り込んだ魂の中に高密度な個体があれば、それを実体化させることも可能になる。
創造
(Briah)
いわゆる必殺。切り札を獲得する位階。
詳細は不明だが、大半のものはここに達することで聖遺物の形状が大幅に変化する。

流出
(Atziluth)
やはり詳細不明。
ただ、この位階に達した者は未だいないと言われている。