
位階(Degree)
"ケルビムにはそれぞれ四つの顔があり、第一の顔はケルビムの顔、
第二の顔は人間の顔、第三の顔は獅子の顔、
そして第四の顔は鷲の顔であった"
(『エゼキエル書』第10章14節)

およそすべてに共通する基本がそうであるように、エイヴィヒカイトも経験を積むことでレベルアップ――つまり位階を上げることが可能である。
これは本来、既存のいかなる体系とも違っているが、
欧州人の割合が高い騎士団員の性質を考慮して、
西洋神秘思想の根幹をなすものが便宜上使われている。
すなわち、活動、形成、創造、流出からなる、
クリスチャン・カバラのセフィロト四層概念。
神の光――天地創造の御業とプロセス――を逆に辿ることで、
人は神的領域に到達できるという思想である。
実際、その概念の真偽は置くとしても、単に殺しの手段として見るなら
位階を上げることによるメリットは凄まじい。
それは聖遺物の形状や効果範囲の変化拡大、
爆発的な身体能力の向上や超感覚の獲得など、
目に見えて戦闘力を跳ね上がらせるものだからだ。
現実に、位階がひとつ違うだけで、強さの次元が桁違いになると言って構わない。
聖槍十三騎士団に身を置く者らは、
ほぼ全員が第三位階である創造にまで達している。