たしには、好きな人がいます。
その人はわたしのことなんか見てないけれど、
ずっとずっと好きでした。

今も、そしてこれからも。

その人は、同級生に万引きをさせられていたわたしを見ても、馬鹿にしたりしませんでした。
ただ一言、「かっこ悪いよ」とだけ言って、わたしを止めてくれました。

その言葉が、忘れられません。
仲間はずれになるのが怖くて、いじめられるのが辛くて、何もできなかったわたしに比べ、その人はなんて強い人なんだろうと……
去っていく彼の後姿を見て思ったんです。
今の学校に入学したのは、その人に会うためでした。会ってお礼を言うためでした。

でも、やっぱり臆病なままのわたしは、なかなかそれを実行することができません。
いやになります。恥ずかしいです。
その人とお話する機会は今まで何度かありましたが、言いたいことの一割だって伝えることができてません。
だから、相談したんです。
その人とは別の、もう一人いる憧れの先輩-に。

だけど、でもそれが、まさかあんなことになるなんて…


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