lightBOX The Great 15th

Titles

Vermilion -Bind of Blood-
ジャンル:ADV
発売日:2011年5月27日発売
メディア:DVD-ROM(1枚)
原画:泉まひる・さるか
シナリオ:昏式龍也・高濱亮
音楽:与猶啓至
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内容紹介

血に縛られし闇 魂の回帰譚が始まる……
これは、闇を統べる吸血鬼(ヴァンパイア)の物語ではない。
これは、闇に潜む縛血者(ブラインド)の物語である


聖書に綴られた原初の存在は「完全なる不死者」であった。
土塊より創造されたたった一組の男女、神祖アダムとリリスの二人である。
完全な生命であった彼らは、しかし変わらぬ命に変化を生み出すべく、リリスはアダムの血を口にした。

変化はほどなく起こった。
血を吸われたアダムは「子を成す力」を手に入れたが、「老い」を宿し。
血を吸ったリリスは「完全な不死」はそのままに「賜力(ギフト)」という力を手に入れたのだった。それにより、アダムとリリスは道を違える。人類は数を増やし、神祖は変わらぬ命と共に一人となった。

やがて、リリスは放浪の先で一人の青年に巡り会う。

青年の名は「ナザレのヨシュア」。
彼の提案によりその血を口にしたリリスは、かつてアダムが「老い」を得たのと等しく「不完全な不死」を身に宿してしまう。

陽光は罰に、流水は檻に、十字架は呪いへと。
「忌呪(カース)」という致命の領域が、リリスの身へ刻まれた。

しかし、これもまた対価だったのか。リリスは吸血を行うことで、血族を増やす能力も獲得する。
子を成す力を手に入れたのだ。そう、かつてのアダムのように。
彼女は新たな可能性を行使し、人類を少しずつ己が眷属へと生まれ変わらせていった。

血族を増やし続け、どれほど経ったか……
ある時、彼女はその方法に欠点を見出す。
見過ごせぬほどの致命的な欠点、数を増やすたびに自らの魂が拡散しているのを自覚する。

その事実を知ったリリスは、長い熟考の末に一つの思いへ至る。そして己の身体からある者達を生み出した。
見目麗しき三体の「柩の娘」達。
そして、最期にもう一つ──

それから二千年の時が流れた。

遺された血族たちも、人類も、全てを聖書の中へと忘れ去った頃に、物語は始まる。



キャラクター

トシロー・カシマ(鹿島杜志郎)

トシロー・カシマ(鹿島杜志郎)
Toshiro Kashima
CV:ミスター・デリンジャー

■キャラクター紹介
二十代後半の風貌をした、陰のある主人公。縛血者。
マキシコートやスーツが似合う古風な美男であるが、どこか無気力な瞳と傍観者的な態度が幽鬼のような印象を与えている。元は日本生まれの武士、という縛血者でも珍しい経歴を持っている。
人間社会での顔は流行らない探偵であり、縛血者社会では、コミュニティの治安を監視する刑吏(警察官兼処刑人)という役割を担っている人物。
武家の出であるゆえか、縛血者に似つかわしくない独自の死生観を持つ。

シェリル・マクレガー

シェリル・マクレガー
Sheryl McGregor
CV:鈴美巴

■キャラクター紹介
トシローと数十年来行動を共にしている、良きパートナーにして相棒。縛血者。
基本的に明るく前向き。男勝りのストレートな性格で、外見のクールさに反して感情の起伏は激しい。勝気な豪放磊落さと同時に、どこか儚い哀愁もその身に秘めている。
トシローと肉体関係はあるが恋人同士ではなく、お互いにあと一歩踏み込めない微妙な位置。

アンヌ・ポートマン

アンヌ・ポートマン
Anne Portman
CV:春乃伊吹

■キャラクター紹介
平凡な女子学生である人間の少女。しかし何者かに洗礼を与えられることにより、縛血者と化してしまう。
気まぐれで明るい信用した相手にはとことんなつく子犬属性。年頃の少女らしく、どこか夢見がちな部分を持つ。
平和主義者であり温厚だが、その反動か窮地に立つと芯の強さを覗かせる。恋愛に関しても同様で、奥手なように見えて意外と独占欲が強い。

ニナ・オルロック

ニナ・オルロック
Nina Orlok
CV:岩田由貴

■キャラクター紹介
主人公がいる街を含めた、西部アメリカの縛血者コミュニティ「鎖輪」を統率する年若い支配者。
外見、性格とも気位の高い素養を覗かせる少女だが、しかし縛血者社会の中ではまだまだ若輩者に過ぎないとも言える。本来の彼女は縛血者になって日の浅く、先代から継いだ血統によりトップに立ってしまった未熟な少女でしかない。
それでも親たる先代からの大きな置き土産を背負い、今日もまた柔い心を威厳のベールで押し隠してる。トシローは直属の部下であるため、有事の際はニナの命令に従って行動することになる。

アリヤ・タカジョウ(鷹匠亜莉矢)

アリヤ・タカジョウ(鷹匠亜莉矢)
Ariya Takajyou
CV:青山ゆかり

■キャラクター紹介
無表情で無口な、何を考えているかわからない日本人の少女。しかしてその実態は、伝説的な吸血鬼狩人〈ホワイト・パイル〉の五代目を継承する存在である。
称号に相応しく、人間でありながら平均的な縛血者を軽く滅ぼすほどの実力を持つ。
殺伐とした日々をおくっているためか、非常にソリッドな性格。機械的、計画的に縛血者を狩り立てる行動からもそれは現れている。
先代との因縁を継承し、トシローを倒す為に渡米。鎖輪へと人知れず潜り込み、その目的を果たさんと目論む。

アイザック・フォレスト

アイザック・フォレスト
Isaac Forest
CV:堀川忍

■キャラクター紹介
街の酒場である「カサノヴァ」のバーテンダーであり、トシローの数少ない友人。縛血者。
二枚目で口が軽いように見えるが、バーを経営しているためか非常に情報通。その情報網により、トシローへ情報を売ることもしばしば。
トシローとはまた異なる独自の死生観を持ち、その違い故にか彼との間には本人同士しか分からない共感がある。

ジョージ・ゴードン・バイロン

ジョージ・ゴードン・バイロン
George Gordon Byron
CV:奥田香織

■キャラクター紹介
ロンドンに存在する吸血鬼コミュニティ「鎖輪」の支配者。外見は女性だが、体は男根を持つ両性具有である。縛血者。
性格は非常にエキセントリックで、嗜虐や闘争を好む退廃的な快楽主義者。ある種において非常に純粋であり、通俗的な吸血鬼の記号に最も当てはまる存在と言える。血統と積み重ねた年月を重んじる、骨の髄からの才能至上主義。彼の到来により、街は一層の混乱を抱えていくこととなる……

カーマインマジェンタスカーレット

カーマイン/マジェンタ/スカーレット
Carmine/Magenta/Scarlet
CV:桜坂かい

■キャラクター紹介
始祖リリスが造り上げたとされる三体の人形。
「最も美しい死者」として縛血者社会で美術品として永く愛でられるが、その正体はリリスによって創られた人造の縛血者。
彼女の目論見を成すために存在であり、眷属の天敵たる裁定者を生み出す存在である。
顔や体型は共通の三つ子であり、髪型が異なる。

美影

美影
Mikage
CV:桜坂かい

■キャラクター紹介
トシローの元恋人であり、思い出の中に存在する少女。縛血者であり、故人。
元は人間時代からトシローの婚約者であり、そこそこ名の在る家の娘だったが、重なる運命の悪戯により縛血者となってしまった。彼に洗礼を施し、縛血者へと変えたのも彼女である。
今でもトシローの心を縛る影であり、同時に新たな一歩を踏み出すための鍵ともいえる人物。

ケイトリン・ワインハウス

ケイトリン・ワインハウス
Caitlin Winehouse
CV:有栖川みや美

■キャラクター紹介
洗礼を受け、人間から縛血者へと成ったばかりの少女。縛血者。
アンヌとは親友であるが、その性格は真逆。非常に活発で享楽的であり、目先のスリルや刹那的快楽をひたすらに探求している。
そのため、現状の縛血者社会の掟を快く思っていない。

ルーシー・ミルドレッド

ルーシー・ミルドレッド
Lucy Mildred
CV:百瀬ぽこ

■キャラクター紹介
アイザックの酒場の女給で、ハイテンションな賑やか少女。縛血者。
笑顔を絶やさないが、毒舌で性格はかなり黒い所がある。
日本通でアニオタの一面もあり、彼女の行動は多分に勘違いゴシップの情報を孕んでいる。血親でもあるアイザックを心から慕っており、そのことを隠すつもりもない。

アルフライラ・ワ・ライラ

アルフライラ・ワ・ライラ
Alf Layla wa Layla
CV:岬友美

■キャラクター紹介
縛血者社会における反社会勢力の頭目であり、地下グループのリーダー。縛血者。
掟の窮屈さから逃れ、独自のグループを形成したアウトローを束ねている女傑であり、盲目の褐色美女。
過激な服装に身を包み、喋る時は乱暴な男言葉を使う。

モーガン・クインシー

モーガン・クインシー
Morgan Quincy
CV:大河内徹

■キャラクター紹介
トシローの同僚である縛血者コミュニティ「鎖輪」の番人である大男。縛血者。
人間社会での顔は警察官(警部補)。こわもてのする役人体質の権威主義者だが、性格はどこかお人好しで抜けているという愛嬌のある一面も。
シェリルに片想いしており、トシローに対してはジェラシーを隠そうともしない。良くも悪くも裏表のない性格。

エルンスト・ゴドフリ

エルンスト・ゴドフリ
Ernst Godfrey
CV:どてら4号

■キャラクター紹介
鎖輪の外交・内務を実質上取り仕切る、先代から続くニナの側近。
酷薄な印象に違わず、保守的な思考を持つ。そのため統治面や伝統を基にした判断を第一とするため、「鎖輪」への利益を最優先する。
そのため年若く、感情的になりがちなニナを厳しく諌める。忠臣ではあるが、忠誠があるか定かではない。

ヴィクトル・シュヴァンクマイエル・クラウス

ヴィクトル・シュヴァンクマイエル・クラウス
Victor Svankmajer Krauss
CV:山中荘一

■キャラクター紹介
アリヤの師匠の狩人。
半ば伝説と化している、縛血者にとって畏怖の象徴たる狩人中の狩人。先代の<ホワイト・パイル>。
50年前に唯一トシローを仕留め損なった経歴を持ち、狩人の誇りにかけて今も執念を胸に生きている。アリヤの師匠でもある人物。
かなりの老齢でありながら、なお衰えを見せない。
人間相手には温厚だが、縛血者相手には驚くほど非情。その信念は、人類全体への果て無き狂愛から生まれている。

ヴァネッサ・クラリモンド

ヴァネッサ・クラリモンド
Vanessa Clarimonde
CV:岬友美

■キャラクター紹介
「鎖輪」における有力者。「藍血貴」と呼ばれる、歳月を重ねた縛血者の一人。鎖輪社会の中で上位に君臨している。
幼い外見とは裏腹に長い年月を生きているためか、力と呼ぶものに対して貪欲な一面を持つ。

ウイリアム・ギャラハッド

ウイリアム・ギャラハッド
William Galahad
CV:どてら4号

■キャラクター紹介
「鎖輪」における有力者。「藍血貴」と呼ばれる、歳月を重ねた縛血者の一人。鎖輪社会の中で上位に君臨している。
飄々とした優男風の強者。人間社会においても多くの会社を持ち、考え方が最も俗的。支配者というよりは経営者としての身分に満足しているためか、利益の優先を掲げている。

ヴァン・エレコーゼ

ヴァン・エレコーゼ
Van Erekose
CV:大河内徹

■キャラクター紹介
「鎖輪」における有力者。「藍血貴」と呼ばれる、歳月を重ねた縛血者の一人。鎖輪社会の中で上位に君臨している。
野心的な権威主義者であり、年若いニナが血統のみで公使となったのが気に入らない。

伯爵

伯爵
The Vampire
CV:林檎畑四十廊

■キャラクター紹介
縛血者の王にして、絶対な力を持つリリスの直系。
善悪の次元を超え、使命のために活動する。性格は豪胆にして威厳のあるもの。ただそこに存在するだけで他を圧する。
《伯爵》とはあくまで通り名であり、爵位ではない。本名はそもそも彼に存在せず、意味のない記号としてしか見ていない。
王であり、哲学者であり、探求者でもある。
あまりに強大であるゆえに、縛血者とは根の部分で隔絶した、唯一無二の「吸血鬼」と呼ぶに相応しい存在。まさに彼こそ、御伽噺の怪物とも言えるだろう。



ストーリー

縛血者コミュニティ「鎖輪(ディアスポラ)」。
吸血により増加した縛血者達を管理統制する組織として「夜会の掟」のもとに支配する
その中でも、北アメリカ西部で最大の勢力を誇る「鎖輪」において物語は始まりを告げる。
その管理された平和の中に暗雲が覆いかぶさろうとしてた。
鎖輪の中で発生する縛血者を襲う「同族殺し」
殺害現場に残されるのは、串刺しとなった縛血者の死体と血液で描かれた「三本指」の痕跡。

「三本指(トライフィンガー)」

それはかつて鎖輪を恐怖に陥れた伝説の同族殺しの名であり、既に消えうせたはずの忌み名だった。
鎖輪「公子(プリンシパル)」ニナ・オルロックはその事態を危惧。
彼女の命のもと、治安を監視する刑吏官トシロー・カシマは、相棒のシェリル・マクレガーと共に「三本指」の捜索へあたることになる。
そして、トシローのもとに一人の少女が訪れる。

少女の名は、アンヌ。縛血者にはない、日向の匂いを感じさせる少女だった。

アンヌは友人であるケイトリンの捜索を依頼する。
ケイトリン……それは数日前、トシローの前に現れた成り立ての縛血者であった。
そんな最中、ニナの元へロンドンの鎖輪公子バイロンが、己が所有する魔神器「柩の娘」マジェンダを伴い来訪する。
バイロンの来訪と同時期に、きな臭くなっていく鎖輪の秩序。
アンヌもまた事件に巻き込まれ、何者かに「洗礼(バプテスマ)」を受けて縛血者と化してしまう。
アンヌを保護し、依頼と任務を追い続けるトシロー。
しかし、彼の前に突然異形の怪物が現れる。否応なく、異形の怪物と対峙する事となり、そして……
夜霧の中から現れた異形が「串刺しの怪物」と知ったトシローとモーガンは、同族殺しの咎人として処刑すべく立ち向かう。
愛刀を抜き放ち、トシローは身に着けた武をもって屹然と戦う。
異形の怪物との壮絶な戦いは、トシローが優勢となり追い詰めていくが、
あと一息でし止められる寸前、横合いから自分を狙った奇襲により防がれた。乱入してきた少女はそのまま、異形の怪物を倒してしまう。

少女の名は「アリヤ・タカジョウ」

縛血者の世界で伝説となっている狩人(イェーガー)「ホワイト・パイル」を名乗る歳若い少女だった。
鎖輪に訪れる数々の来訪者。
伝説の同族殺し、「三本指(トライフィンガー)」の再来。
ロンドン鎖輪の公子、暴君G・G・バイロンの来訪。
縛血者を次々と襲い殺す、異形の怪物の出現。
来訪する伝説の狩人(イェーガー)、「ホワイト・パイル」
因縁と宿業の連鎖。鎖輪の中に全てが収束し始める。
やがて訪れる血縛の果て、彼ら縛血者の世界は終焉を前にする。



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