姫花 「ねえ、ゆっくん平気? ドア開けるよ?」

あ、開けるな――
部屋のドアは、問答無用で開けられた。
ベッドに横たわる俺。
寄り添って眠る、真っ白な少女。
その光景を目の当たりにして、目を点にしている両親と幼馴染。
スヌーズ機能が作動して、再び鳴り出す目覚ましのベル。
鳴るよ鳴るよ――運命の鐘が鳴るよ。
なぜか、夢の世界で耳にしたフレーズが、リフレインする。

母 「ゆ、由紀……っ!? ああああっ、由紀が部屋に女の子を連れ込んでっ!?」

母 「はっ!? これが噂に聞く、$E若者の性の乱れっ!?」

父 「いやいや、落ち着きなさい母さん。これは見ようによってはメデタイことだよ」

姫花 「ゆっくんが……ゆっくんが女の子と一緒に寝てるぅ」

由紀 「ち、ちがっ……これはっ、違うっ!?」

しろ 「んん……ゆきぃ、会いたかった……」

すりすり、と甘えながら、絶妙のタイミングで寝言を呟く少女――自称・しろ。

母 「で、でもアレよっ? ついこの間まで、こんなに小さかった由紀なのよっ?」

父 「男は急に成長するもんだよ。しかし美少女だなあ。大金星だぜ由紀」

姫花 「ああ……ゆっくんが、私の知ってるゆっくんじゃなくなっていくぅ」

由紀 「だあああ! 俺の話も$E聞いてええええっ!」