超像の異能。 また、それを得た者。
「歪つで過剰かつ不規則な力、あるいはその持ち主」というほどの意味合いで名付けられた。
知的生命体特有の共感能力を媒介に、深い関係を構築した個人から個人に感染していく “精神のウィルス” のようなもの。
バロック
あたしたちが能力として使う「バロック」っていうのは、“歪つで過剰かつ不規則な力、あるいはその持ち主”っていう意味合いがあるんだよね。
バロックっていうと “音楽” とか “建築” を思い出すよ
バロックという言葉の語源としてはさっき言ったような“歪つな形”を意味する語と、“複雑さや難解さ”を意味する語があるんだけど、能力としてのバロックはその両方の意味から名付けられたらしいわ
さっすが幸さん! わかりやすい説明、ありがとうございます!
伊里谷さんも随分わかりやすかったわよ?
いやー、そこはほら、オタクだから。 こういうのには詳しいんだよ
そんなことない。伊里谷さんもきちんと勉強してるわ。
でないとわかるはずないもの
……異能で繋がってる分、お互いの気持ちがダイレクトに伝わって恥ずかしいね
えっと、高次元から低次元への干渉。 つまり、“三次元” にいる私たちが、“二次元” の絵を思いのままに描くとかそういう感じなことをデフォにしてるから……
“高次元の存在は、低次元においてその物理法則を無視できる”っていうのがSFっぽい理屈かな
私たちの共感能力もそういった異能の副産物みたいなものよね
そういうこと!
でも、決して良いことばかりでもないのよね
まあ、いい感情だけを共有できればノリノリに行けるけど、一人でも恐慌状態になるとガタガタに崩れてしまう~みたいな
あとは、そうね。 親子孫の関係かしら?
深い関係性を結ぶに至った個人から個人に感染していくものだからね、この異能は
便宜上、親から子、子から孫に感染していくことにするけれど、このとき、親と孫だと共感能力が働きにくかったりするのよね
まっ、あんまりにも便利すぎるからって油断するなってことだよね
ええ、気をつけましょう
それじゃあ、こんなところかな?
やっちーに勧められたときは半信半疑だったけど、役に立つもんだね『宇宙人でもわかるバロック』
一体どれだけのシリーズが刊行されてるのかしら……