Dies irae 〜Amantes amentes〜 For Nintendo Switch

Glossary

聖遺物

作中で聖槍十三騎士団の団員達が使用するマジックウェポンの総称。
聖遺物とは、一般に過去の聖人が遺した物品を指す言葉だが、本作ではもっと広範な意味を持つ。
つまるところ、人の想念を吸い続けたことで意思を獲得した器物であり、必ずしも“聖なる”物とは限らない。

“餌”としたのが信仰心であれ怨念であれ、力あるアイテムならば聖遺物にカテゴライズされている。
これらは総て、大戦中にナチスドイツのアーネンエルベ局が世界中から掻き集めた。

永劫破壊

聖遺物を兵器として武装化し、超常の力を行使する理論体系。
読みはエイヴィヒカイト。
聖槍十三騎士団の副首領、メルクリウスが組み上げた複合魔術であり、 その駆式には人間の魂を必要とする。
つまり、この理を操る者は常時殺人を続けなければならず、 殺せば殺すほどに戦力を増大させることが可能。
他にも――

聖遺物およびその使徒は、聖遺物でしか破壊できない。
聖遺物を砕かれれば、その使徒も砕け散る。
聖遺物による攻撃は、物理的・霊的、両面で防がなければ止められない。
聖遺物の加護ある限り、使徒は不老であり不死である。

――という特性を持っており、この理を操る者には銃火器を始めとする“常識的攻撃手段”が原則として通用しない。
殺した人間の数に相当する霊的装甲を常時纏い、魔道兵器として最高レベルの聖遺物を揮う無敵の理。
だが、それすら副産物的なものにすぎないらしく、本来のエイヴィヒカイトがどのようなものか、何を目的とし何処に至るためのものか、生みの親である騎士団副首領以外、誰も知らない。

位階

およそすべてに共通する基本がそうであるように、エイヴィヒカイトも経験を積むことでレベルアップ――つまり位階を上げることが可能である。
これは本来、既存のいかなる体系とも違っているが、欧州人の割合が高い騎士団員の性質を考慮して、西洋神秘思想の根幹をなすものが便宜上使われている。
すなわち、活動、形成、創造、流出からなる、クリスチャン・カバラのセフィロト四層概念。
神の光――天地創造の御業とプロセス――を逆に辿ることで、人は神的領域に到達できるという思想である。
実際、その概念の真偽は置くとしても、単に殺しの手段として見るなら位階を上げることによるメリットは凄まじい。
それは聖遺物の形状や効果範囲の変化拡大、爆発的な身体能力の向上や超感覚の獲得など、目に見えて戦闘力を跳ね上がらせるものだからだ。
現実に、位階がひとつ違うだけで、強さの次元が桁違いになると言って構わない。
聖槍十三騎士団に身を置く者らは、ほぼ全員が第三位階である創造にまで達している。

活動(Assiah)

初期位階。契約している聖遺物の特性を、生身のまま限定的に使用可能。
つまり刀剣類の聖遺物なら、手を触れずに物を切り裂けるという類。
常人を殺傷するには便利だが、所詮はそれ止まりであり戦闘には使えない。
また、この位階は聖遺物に振り回されているとも言えるので、暴走・自滅の危険が高い。

形成(Yetzirah)

契約している聖遺物を、形あるものとして具現化可能。
五感、霊感が超人化し、高度な破壊と戦闘行為が可能になるのはこの位階から。
また、取り込んだ魂の中に高密度な個体があれば、それを実体化させることも可能になる。

創造(Briah)

いわゆる必殺。切り札を獲得する位階。
詳細は不明だが、大半のものはここに達することで聖遺物の形状が大幅に変化する。

流出(Atziluth)

やはり詳細不明。
ただ、この位階に達した者は未だいないと言われている。

聖槍十三騎士団

ナチスドイツの親衛隊、その中でも特にブラックボックス的な側面を持つ レーベンスボルン機関、アーネンエルベ局、アインザッツグルッペン、絶滅収容所等、いわゆるオカルトや超人研究、ホロコーストに関わる裏の部隊を統括する組織名。
元々はエリート将校たちによる“ごっこ”的なものだったが、本作に登場するのはそのさらに裏―― 高度な科学、魔術儀式を実践し、人外の力を獲得した正真正銘の超人たちである。
俗に“最後の大隊”と呼ばれるナチス残党の中でも、最強の力を持つ十三人の軍隊。
たったそれだけで、国家すらも滅ぼし得る最悪の軍団。

彼らは一人の例外も無く、黒円卓と呼ばれる占星術、ルーン魔術、大アルカナの式を組み込んだ魔法陣の霊的加護を受けており、そのうえで聖遺物という規格外のマジックウェポンを自在に操る。

誇張ではない一騎当千。

超常の理を知らない一般人では、どう足掻いても太刀打ちできる道理はない。

そんな彼らが何を思い、何を求めて諏訪原市に集いだしたのかは不明だが、その目的の成就が未曾有の大惨事をもたらすことは容易に想像できるだろう。

現在、ベイ、マレウス、カイン、シュピーネ、レオンハルト、ゾーネンキント、バビロン、クリストフの八名が存在を確認されているが、首領、副首領を含む最高実力者五名の行方は杳として知れていない。
一説では、もはやこの世に存在しないとも言われている。

※なお、黒円卓における順位はルーン、アルカナ、星座の配置関係を表すものにすぎないので、力による序列ではない。

武装形態

エイヴィヒカイトを操る者らは、その特性から四つのタイプに分類される。
これは本人の思想や性格、また契約している聖遺物の系統が影響するため、同じ術理で紡がれた武装といえども見た目や使い方は一定しない。
以下は、それぞれのタイプにおける特徴である。

人器融合型

肉体の一部、もしくは全身を聖遺物と一体化させる融合型。攻撃力に特化し、全タイプ中もっとも高い身体能力を獲得する反面、発動中は極度の興奮状態に陥るため、理性的な判断が困難となる。
好戦的かつ破壊的、一瞬の快楽を嗜好する刹那主義、享楽主義の人種がなりやすい。
拷問や処刑用の刑具など、怨念を餌に育った聖遺物が大半を占める。

武装具現型

武装としての具現、使用者と道具というスタンダードな形を保ったタイプ。
基本形であるがゆえにバランス面に優れ、明確なデメリットがない代わりに特化したメリットもない。強いて言うなら聖遺物との主従関係が明白であるため、暴走や自滅の危険が低いということだろう。
職業的戦闘訓練を受けた者、もしくは徹底した現実主義者など、合理的で感情を律することに長けた人種がなりやすい。
いわゆる武器、兵器、戦闘における道具として血を吸った聖遺物が大半を占める。

事象展開型

物理的な破壊や武威の顕現ではなく、一般に連想される魔道・呪術のイメージにもっとも近いトラップ&カウンタータイプ。
攻撃力は低い(なかにはゼロの者もいる)が、防御や補助面に優れているため、殺すことが難しい。融合型と二人一組で行動すれば、非常に危険な存在となる。
理知的で聡明、深い探究心とそれに付随する神経質な拘りを持つ者、学者や芸術家タイプの人種がなりやすい。
書物、もしくは何らかの芸術品など、製作者の狂的な情熱を餌に育った聖遺物が大半を占める。

特殊発現型

上記三つのどれにも属さない、もしくは複数の性質を有している特殊型。
その性質上、他を凌駕する強大な力を発揮し得るが、状況によっては何の役にも立たない場合があるため、ひどく不安定。
ある特定の事象や人物に心を奪われ、盲目的になっている人間。純度の高い宗教家や、復讐者などがなりやすい。
質の浄不浄を問わず、信仰を餌に育った聖遺物が大半を占める。