「いいから、しょくん、先生に石ころをわたしなさい。先生のところにもってくるために石ころをひろってきたのだろう?」

 ああ、そうか――と、子供たちは思いだしました。先生は「ひろってこい」と言っていたのだから、ひろってきた石ころは先生にわたさなければいけないのです。

「ねえ、先生。石ころは先生にわたさなければダメなの?」

「そうとも。じゅんばんにわたしなさい」

「ねえ、先生! あとでこの石ころ、わたしたちに返してくれるんでしょうね!?」

「どうして?」

 R-ヒナギクは、おどろきました。ほかの子たちもです。
  だって、先生は石ころをとりあげて、そのまま返さない気でいるのですから!

「いちおう聞くんだけど、先生はこの石ころをどうする気なのよ?」

 すると、先生はこたえます。

「そうだな、こなごなに砕いて、うんと遠くにすててこよう」