それを聞いた瞬間、子供たちはみんな、先生にとられないように石ころをぎゅっとにぎりました。
自分の石を気にいってなかったC-101もいっしょです。
「どうした? 石ころなんて、またひろってくればいいだろう? もともとはそこいらにで落ちていたものだ。おなじような石ころは、そこいらにいくつでもあるのだから」
子供たちは目を見あわせました。イチヒコも、R-ヒナギクも。
こんなふうに目を見あわせるのは、今日だけでなんどめのことでしょうか。
先生の言うことは、それなりにもっともでした。石ころなんて、そこいらじゅうに落ちていて、みんなもそれをただでひろってきただけなのですから。ただでひろってきたものに、かたくなに所有権を主張するのもおかしなことですし、また1時間もさがせば似たような石ころは見つかることでしょう。
しかし、いろいろ考えたすえに、子供たちは先生に言うのです。
「でも、『これ』は、わたしの石ころなのよ!」
R-ヒナギクもイチヒコも、先生にさからったので叱られるかと思っていました。先生が生徒にあたえるいちばんきびしい罰であるところの『ろうかに立たせる』をさせられるかもしれない。それさえ覚悟していたのです。
ですが――、