「ヒナギク」
虹色の星空の中で、僕はヒナに抱き上げられた。 ヒナの声と、ヒナのうで。 こいつがいっしょにいてくれるなら、 僕は、だいたい・・・・こわくない……。
「空気うすい・・・から、肺パンクしないように口すこし開けて、ゆっくり 息吐いて……。目は開けて……でも、開けすぎないで……。 それと――」
それと――。
「しっかりつかまってて」
最後のだけは、言われなくてもやっていた。