みなも 「やっ! 元気足りなさそうに歩いて、どうしたのおにぃ」
宙斗 「うお、みなもか」
みなも 「夕空を見上げてたそがれて、どうしちゃったのさ」
宙斗 「ずっと俺のこと見てたのか?」
みなも 「だってみなもが本屋で立ち読みしてたら、ぼーっと歩きながら店の前を通り過ぎるんだもん」
宙斗 「立ち読みしてるなよ」
みなも 「どうしたの。元気無くなっちゃうことでもあった?」
ツッコミを取り合おうとせず、みなもが俺の心境をたずねてくる。
そんなにしょぼくれて見えてたのかな。
宙斗 「そこまでしょげてたわけじゃいんだけどな」
みなも 「やっぱり凹んでたんじゃん」
宙斗 「……まぁな」
こういうところ、実は姉よりも鋭い妹だったりする。
昔からしずねぇや俺の異変にまっさきに気づくのは、いつもみなもだった。
俺たちの中じゃ最年少のくせして勘が良いんだよなぁ。
みなも 「ほら、可愛い幼なじみにデレてごらんよ」
みなも 「元気、分けてあげるから!」