「(R-コバトムギ先生、私、石ころをひろいました)」
子供たちの中でいちばんまじめなクラス委員のC-101は、さっそく石ころを持って先生のところに行きました。
というのは、C-101はじつは子供たちの中でも1、2をあらそうほど気が短いので、だから1時間も石ころをさがしつづけるのがガマンできなかったのです。
C-101がひろったのは2センチくらいの小石です。どこにでもある、表面がざらざらした灰色の小さな石ころでした。
それは、みんなで石ころをさがしはじめた時に足もとに落ちていた石ころで、C-101はてっとりばやくそれをひろったのです。
「(もう、私のぶんの『とくべつな授業』はおわりですね。家にかえってもいいですか?)」
すると、先生は言いました。
「いいや、1時間たつまでは、ぜったいに石ころはうけとらないぞ。C-101がこの石がいいと思うなら、この石をもっておきなさい。しかし、時間はまだ1時間もあるんだ。もっとじっくり、えらぶといい。『いちばんいい石ころ』をさがすんだ」