そう言われて、C-101はびっくりして聞きかえしました。
「(石ころに、いいもわるいもないでしょう? どんなのが『いい石ころ』だというんです?)」
「それは自分で考えるんだ。自分が『いちばんいい』と思うやつでいい」
C-101はこまってしまいます。いえ、C-101だけではありません。ほかの子供たちもこまりました。ルールもわからず、ただばくぜんと「いちばんいい石ころをひとつえらべ」と言われても、どうすればいいかわかりませんから。
ですが――、
「なあ、僕、これがいい石ころだと思うんだ。ほら、黒くて丸くてぴかぴかしてる」
イチヒコがそう言いだしたので、ほかの子供たちもなんとなくこつがわかってきました。