あるすまぐな
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水霧けいとのNEW!あるすまぐな放送部
コミック版 あるすまぐな!
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 そこは山の中腹、木々のひらけた草原。

 湿った風にのって運ばれる草の匂いが、体の内側から俺を満たしていく。

瑠華「あそこ。見てごらんなさい」

 瑠華先輩が簡潔に示した指の先、そこには人の姿があった。

九十九「……紗久良、せん……ぱい?」

 風にたなびく草むらの中、紗久良先輩は術服を着て凛と佇んでいる。

 直立不動のまま、静かに正面を見据え、口元は厳しく閉じられたまま。

 両手に持つのは、細長い棒だった。紗久良先輩の身長より長いだろう。あんな形の棒、見たことが無い。

 角材ではない。ちょうど、手に握りこめるくらいの太さで、丸みを帯びていた。

紗久良「…………」

瑠華「…………」

九十九「…………」

 紗久良先輩の周りは、時が止まったように深閑としている。

 彼女が見据える先には、なにもない。だが、先輩の意識はその何も無い空間に、収束しているようだった。

 不意に、傍らの瑠華先輩が囁く。

瑠華「来るわよ。息、殺しなさい」

九十九「え……?」

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