 
四四八が長年見続け、彼の仲間たちも入り込むことになる不可思議な夢の世界。
  全部で八つの階層から成っており、その最深部まで降りることで諸々の謎が明かされると思われている。
  文字通り夢であるため眠ることによってこの世界に入るのだが、ただの夢と異なっているのは以下の点。
  
  夢界に存在する者たちは、誰かの妄想によって生み出されたキャラクターではない。実際に自我と命を持った人間である。
  四層以降は世界観が明治・大正期の日本に固定されており、ここで死ぬと現実でも死ぬ。
  一度でも四層以降に降りてしまえば、三層以上の安全区域に戻ることは出来ないので逃げられない。
  四層以降の世界においては、四四八らの取った行動が現実の歴史に影響を及ぼす。つまり、タイムスリップのような現象が起こる。
  
  以上四点、細かいところは他にもあるが、この四つがもっとも分かり易く重要な異常として四四八らの前に立ちはだかる。
  謎の男、神野明影はこの世界のことを"カナン"と呼び、彼が語る夢界の構成は以下の通り。
  
  第一層/モーゼ
  普通の人間が一般に見る夢世界。要するにジャンク。
  
  第二層/ヨルダン
  明晰夢、かつ連続夢の世界。昨日見た夢の続きを今日見れるといった類。四四八がデフォルトでいる階層。
  
  第三層/エリコ
  基本は二層と同じだが、それプラス他人とその夢を共有できる世界。栄光曰く、「まるでネトゲ」とのこと。
  
  第四層/ギルガル
  ここからなぜか明治時代になり、以降は夢で死ぬと現実でも死ぬ。ただし、死にさえしなければ問題はないので、
  どれだけの負傷をしても生きて夢から覚めれば現実に影響はないし、再度夢界に入ったときはその負傷も消えている。
  
  第五層/ガザ
  日露戦争直下。
  
  第六層/ギベオン
  大正時代初期。第一次大戦。
  
  第七層/ハツォル
  不明。
  
  第八層/イェホーシュア
  不明。
