ゆえに、これは英雄(ヒカリ)の物語ではない。 これは敗者(ヤミ)の物語。 一度逃げ出した男が自分の星を取り戻すべく、足掻き抗う物語である。 それを導くは死に包まれた少女の囁き。 冥界の底で死想恋歌(エウリュディケ)は吟遊詩人(オルフェウス)へと愛を告げる。 「──“勝利”からは逃げられない。さあ、逆襲(ヴェンデッタ)を始めましょう」