縛血者 【ばくけつしゃ/ブラインド】

人類を縛血者が噛み、同族とする行為を「洗礼(バプテスマ)」と呼ぶ。
まずそれを受けた者は生きながらの仮死を経て、その間にリリスの魂と自身の魂を結びつかせることにより、縛血者へと生まれ変わる。
個人差はあるが、おおむね三日から七日ほどの期間で完了。
次第に嫌光症、日中の倦怠感、日没後の覚醒感を自覚し、忌呪賜力に目覚めることで完全に縛血者へと変化する。

ただし例外的に、洗礼を施されてから七十七日の期間内に親となった縛血者が死亡した場合、血盟という繋がりが解ける。
これは体内に混入したリリスの魂と、自身の魂が結びつくのを阻害する行動であり、結果として噛まれたものは再び人間へ戻る。
これが唯一、縛血者から人類へ戻る手段とも言える。

なお、同族を増やすこの洗礼行為は、己の蓄えた力を消費する。
そのため、めったな事では他者を眷属化させることはなく、縛血者人口の増加も起こりにくい。
この欠点こそ縛血者が人類を上回る力を持ちながら、その勢力図を塗り替えれずにいる最大の理由である。