縛血者 【ばくけつしゃ/ブラインド】

彼らの間には社会の概念がある。
眷属化した後も、縛血者の多くは社会的動物たる人間としての部分に基軸を置いて生きているためだからだ。
当然と言うべきか、それまでの人生における仕事や家族、知人などと縁を切る事を選択できる者は少ない。
だがその猶予期間は決して永くなく、せいぜいが十数年程度に過ぎない。その理由は縛血者になった時点で時が止まるからであり、人類社会の中で生きられないことを思い知るためである。
人間社会を離れた彼らの多くは、寄る辺を求めて同胞と接触するケースが多い。

生きる糧として必要な人間は都市部に集中する為、縛血者もまた都市部にその多くが集まる。都市には彼らを吸収し保護する「共同体」があり、代償に彼らが守るべき縛血者としてのルールを求められる。
これが「鎖輪(ディアスポラ)」と呼ばれるコミュニティである。

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