ナナミ 「えへへ……センパーイ!」

"それ"はヌルヌルとしながら、とても滑らかで気持ちいいものだった。
俺は"それ"の正体が想像ができていた。
それはまぎれもなくボディソー……いや、そうじゃなくて。
ナナミからのアプローチそのものだったからだ。
俺が欲しくてたまらなかったはずのもの。だったんだけど――

宙斗 「えーっとナナミ? この背中に当たってるのはナナミのあれだよな?」

ナナミ 「あれ? 嬉しくないですか?」

宙斗 「いや、すごく嬉しいよっ」

口の中が一気に乾いてしまった。
なんだよ。こんな風に先手を取られてしまったことに妙な気後れを感じる。

宙斗 「でも、なんでいきなり……」

ナナミ 「隣に大好きな人がいるんですよ……しかも裸で……もちろんワタシも裸です」

ナナミ 「何もさえぎるものなんかないんですよ……だからこうしちゃいました」

ナナミ 「恥ずかしいよりも、好きって気持ちがずっとずっと勝っちゃったんですっ」

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