こうして1時間たつころには、みんな石ころをひとつずつひろっていました。
どれも1時間じっくり選びに選びぬいた石ころです。それぞれがいちばんいいと思う石ころを見つけて、その手にひろっていたのです。
「僕の石ころがいちばんぴかぴかだ」
「わたしのがいちばん強い石ころよ」
「ウィ、ムシュー」
「(私は、よくわからなかったから、けっきょく最初にひろったいいかげんな小石にした。でも、だんだんほかの人の石ころがうらやましくなってきた。失敬、モジュール卿。貴機{あなた}の『強そうな石』と私の小石、交換していただけませんか?)」
「おことわりよ! じょうだんじゃない!」
「ケンカするなよ。そんな大きな声だしてさ」
「だったらイチヒコがそのじゃり玉を、C-101の石っころと交換してあげる?」
「やだよ!」
「ウィ、ムシュー……」