魔力場から魔力を直接引き出せるかどうかは、生まれ付いての龍脈との感応能力次第といえる。固有の魔力振動数が、魔力場とシンクロできる性質を、仙骨と呼ぶ。
　 そのため、ある地点において龍脈から漏れている魔力の固有波動と同調できなかったとしても、別の地点から漏れる魔力が別の周波数を持っている場合、そちらとは感応し、魔法が使えるようになる場合もある。
　 仙骨の中でも、最も優秀とされるのが、『龍の相』である。
　 魔法の源である龍脈からのエネルギーを、変換ロスを０で魔法へと変えることができる特殊な体質で、いわば魔法の超伝導である。
　 理論上、『龍脈の巫女』と同一の魔力波長を有するものがそれにあたる。
　 しかし、一言で魔力の波長と言っても、証明されているだけで３種類、仮説も含めると３２もの要素がありまる。証明済みの３種類全てにおいて完全に一致を見るだけでも、１０の８〜９乗分の１の確率であるという試算がある。
　 我が国内では、１０万年に１人と計算される。この奇跡の体質はやはり、仮説だけの存在、という見方が一般的である。