
蓮 「形成――」
呟いた声は誰のものか、ただ瞬間に爆発した意識の奔流が嵐となって、俺の中を駆け巡る。
蓮 「時よ止まれ――おまえは美しい」

それは魔法の言葉。聖遺物を稼動させるために必要な、俺だけの祝詞。
右腕に落ちたギロチンは形を変え、藤井蓮が使うに相応しい物へと昇華する。
剥き身の刃は黒く重く、長大でありながら無駄がない。
これが俺の、意志のカタチ……再び日常へと帰るため、希った力の具現。
マリィ 「血、血、血、血が欲しい」
そして耳に響くのは、処刑場を震わす黄昏のリフレイン。
無垢で無邪気で透明で、地上もっとも美麗な殺意が祝福となり刃を包む。
共に唄い、共に戦い、共に生き残り共に踊ろう。
蓮 「ギロチンに注ごう飲み物を」
マリィ 「ギロチンの渇きを癒すために」
血を捧ごう――これから共に。
焼きついた斬首痕こそが誓いの証だ。
奴らを一人残らず殲滅するまで、俺はこの首飾りを魂に刻み込む。
